「ソールズベリー・ステーキ」って聞いたことありますか?なんだかハンバーグに似ているけれど、一体何が違うんだろう…と疑問に思ったことがあるかもしれませんね。
実は、ソールズベリー・ステーキはアメリカの食卓で愛される、奥深い歴史を持つ家庭料理なんです。ハンバーグとは似て非なる、はっきりとした違いもあります。
この記事では、そんなソールズベリー・ステーキの魅力に迫ります!
- ソールズベリー・ステーキの正体とハンバーグとの違い
- お家でできる本格的な基本レシピ
- 気分で変えられるアレンジソース3選
- 献立に困らない付け合わせのアイデア
この記事を読めば、あなたもソールズベリー・ステーキの達人になれるはず。ぜひ、ご家庭で本格的なアメリカの味を楽しんでみてくださいね!
ソールズベリー・ステーキとは?ハンバーグとの違いを解説
まずは、ソールズベリー・ステーキがどんな料理なのか、その基本から見ていきましょう。ハンバーグとの意外な違いや、その名前に隠された歴史を知ると、もっとこの料理が面白くなりますよ。
アメリカの家庭料理「ソールズベリー・ステーキ」
結論から言うと、ソールズベリー・ステーキは牛ひき肉にパン粉などのつなぎを加えて成形し、グレイビーソースなどをかけて食べるアメリカ発祥の料理です。
日本の家庭でハンバーグが親しまれているように、アメリカではこのソールズベリー・ステーキが定番の家庭料理として愛されています。牛ひき肉に玉ねぎやパン粉、卵といった「つなぎ」を混ぜ込み、楕円形に整えて焼き上げます。そして、最大の特徴ともいえるのが、仕上げにかける濃厚なグレイビーソースやブラウンソース。このソースがジューシーなパテに絡み、ごはんやマッシュポテトがどんどん進む美味しさを生み出します。
見た目はハンバーグにそっくりですが、そのルーツや定義にははっきりとした違いがあるんです。
名前の由来はソールズベリー医師
この料理の名前は、19世紀のアメリカの医学博士、ジェームズ・ソールズベリー氏に由来しています。
ソールズベリー医師は、当時、消化器系の病気に悩む人々のために、ある食事療法を提唱しました。それは、「消化に良い赤身の牛肉をよく焼いて、1日に3回食べること」というもの。この考え方がベースとなって生まれたのが、ソールズベリー・ステーキだったのです。健康法として考案された料理が、今ではアメリカの国民食の一つになっているなんて、面白いですよね。
また、第一次世界大戦中には、別の理由でこの名前が広まったという説もあります。当時、アメリカでは敵国ドイツの言葉である「ハンバーガー」という名称を使うのを避ける風潮がありました。その代わりとして、「ソールズベリー・ステーキ」という愛国的な響きを持つ名前が好んで使われるようになった、という歴史的な背景もあるようです。
ハンバーグと何が違う?米国農務省の基準
見た目がそっくりなソールズベリー・ステーキとハンバーグですが、実は「つなぎ」の使用が認められているかどうかという明確な違いがあります。
この基準を定めているのが、アメリカの食の安全を管理する米国農務省(USDA)です。USDAの基準によると、私たちがよく知る「ハンバーガー」に使われるビーフパテは、原則として「牛肉100%」でなければならず、つなぎや添加物でかさ増しすることは認められていません。
一方で、「ソールズベリー・ステーキ」は、パン粉や卵といったつなぎを加えて作ることが公式に許容されています。 このつなぎが、肉を柔らかくジューシーに仕上げる秘訣でもあるのです。
つまり、アメリカの基準では、つなぎが入っているものが「ソールズベリー・ステーキ」、牛肉100%のものが「ハンバーガーパテ」と、はっきりと区別されているんですね。
基本のソールズベリー・ステーキの作り方【本格レシピ】
ソールズベリー・ステーキのことがわかったら、次はいよいよ作ってみましょう!ここでは、誰でも失敗しない、基本の本格レシピをご紹介します。ジューシーなパテと濃厚なソースの作り方をマスターして、お家の食卓をアメリカンダイナーに変身させてみませんか?
材料(2〜3人分)
まずは材料を揃えましょう。特別なものは必要なく、スーパーで手軽に揃うものばかりです。
【パテの材料】
- 牛ひき肉:200g
- 玉ねぎ:1/4個
- にんにく:1かけ
- 溶き卵:1/2個分
- パン粉:大さじ2
- 塩:少々
- こしょう:少々
- サラダ油(焼く用):適量
【ソースの材料】
- 玉ねぎ(ソース用):薄切り
- にんにく(ソース用):みじん切り
- トマトペースト:大さじ1
- ウスターソース:大さじ2
- 水:100ml
パテの作り方手順
美味しいパテを作るコツは、材料をしっかりと混ぜ合わせることです。肉汁をぎゅっと閉じ込めて、ジューシーに仕上げましょう。
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下準備をする
玉ねぎ(パテ用)とにんにくは、みじん切りにしておきます。時間があれば、玉ねぎを飴色になるまで炒めて冷ましておくと、より甘みとコクが深まります。 -
材料を混ぜる
ボウルに牛ひき肉、塩、こしょうを入れて、手でよく練り混ぜます。肉の粒が少し潰れて、全体に粘りが出てくるのが目安です。 -
つなぎを加える
粘りが出てきたら、みじん切りにした玉ねぎとにんにく、溶き卵、パン粉を加えて、さらに混ぜ合わせます。ここで混ぜすぎると肉が硬くなるので、全体が均一に混ざったらOKです。 -
成形する
混ぜ合わせたタネを2等分(または3等分)にします。手にサラダ油(分量外)を少しつけると、肉がくっつきにくくなりますよ。タネをキャッチボールするように両手で軽く投げ合い、中の空気を抜きます。その後、厚さ1cm程度の平たい楕円形に形を整えましょう。真ん中を少しへこませておくと、焼いたときに火が通りやすく、形もきれいに仕上がります。
ソースの作り方と煮込みのコツ
ソース作りの最大のコツは、パテを焼いたフライパンをそのまま使うことです。肉の旨味が溶け出した脂が、ソースを格段に美味しくしてくれます。
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パテを焼く
フライパンにサラダ油を熱し、成形したパテを並べ入れます。中火で焼き色がつくまで約2分焼きましょう。美味しそうな焼き色がついたら裏返します。 -
蒸し焼きにする
パテを裏返したら、フライパンに蓋をして、火を弱火にします。そのまま5〜6分ほど蒸し焼きにして、中までじっくりと火を通します。竹串などを刺してみて、透明な肉汁が出てきたら焼き上がりのサインです。焼きあがったパテは、一度お皿に取り出しておきましょう。 -
ソースを作る
パテを取り出したフライパンは洗わずに、そのまま使います。肉の旨味が残った脂で、ソース用に用意した薄切りの玉ねぎとみじん切りのにんにくを炒めます。玉ねぎがしんなりするまで炒めましょう。 -
煮詰めて仕上げる
玉ねぎが炒まったら、ウスターソース、トマトペースト、水を加えてよく混ぜ合わせます。中火で煮立たせ、ソースが軽くとろみを持つまで少し煮詰めます。 -
パテと絡める
ソースにとろみがついたら、先ほど取り出しておいたパテをフライパンに戻し入れます。パテにソースをよく絡ませながら、全体が温まったら完成です!
もっと美味しく!アレンジソースのレシピ3選
定番のグレイビーソースも絶品ですが、たまには気分を変えて違うソースで楽しむのもおすすめです。ここでは、ソールズベリー・ステーキをさらに美味しくする、簡単アレンジソースを3つご紹介します。
濃厚きのこクリームソース
きのこの旨味と生クリームのコクがたまらない、リッチでクリーミーなソースです。特別な日のディナーにもぴったりですよ。
- 作り方
パテを焼いた後のフライパンにバターを溶かし、お好みのきのこ(しめじ、マッシュルームなど)と薄切りにした玉ねぎを炒めます。きのこがしんなりしたら白ワインを加えてアルコールを飛ばし、生クリームを加えて煮詰めます。最後に塩、こしょうで味を調えたら完成です。パセリのみじん切りを散らすと、彩りもきれいになります。
和風オニオンソース
醤油ベースの甘辛い味付けが食欲をそそる、ごはんにぴったりの和風ソースです。お子様から大人まで、誰もが大好きな味わいですよ。
- 作り方
パテを焼いた後のフライパンで、みじん切りにした玉ねぎをじっくり炒めます。玉ねぎが透き通ってきたら、醤油、酒、みりん、おろししょうがを加えて煮詰めます。少し酸味を加えたい場合はお酢を、甘みを足したい場合ははちみつを少量加えるのもおすすめです。大根おろしを添えてもさっぱりといただけます。
トマト煮込みソース
トマトの酸味とハーブの香りが爽やかな、イタリアン風の煮込みソースです。パテをソースと一緒に煮込むことで、お肉がさらに柔らかく仕上がります。
- 作り方
ホールトマト缶(またはダイストマト缶)をベースに、炒めた玉ねぎやにんにく、ローズマリーなどのハーブと一緒にパテを煮込みます。味付けは、ケチャップや中濃ソース、赤ワインなどを加えると深みが出ます。パスタを添えたり、チーズを乗せて焼いたりと、アレンジの幅が広いのも魅力です。
献立に悩まない!付け合わせとサイドメニューの提案
メインのソールズベリー・ステーキが決まったら、次に悩むのが付け合わせですよね。ここでは、主役のステーキを引き立てつつ、食卓を華やかにする付け合わせとサイドメニューのアイデアをご紹介します。
定番の付け合わせ:マッシュポテト
ソールズベリー・ステーキの付け合わせといえば、何と言ってもクリーミーなマッシュポテトです。これはアメリカでも定番中の定番の組み合わせ。
なめらかなマッシュポテトに、ステーキから溢れる肉汁と濃厚なグレイビーソースをたっぷりかけて食べるのが、本場のスタイルです。ポテトの優しい甘さとクリーミーな食感が、ソースの塩気と絶妙にマッチし、お互いの美味しさを引き立て合います。ぜひ、たっぷりと作って添えてみてください。
野菜の付け合わせ:グリーンビーンズ、にんじんのグラッセ
彩りと栄養バランスを考えるなら、温野菜の付け合わせが欠かせません。
- グリーンビーンズやブロッコリーの塩ゆで
鮮やかな緑色が、茶色くなりがちなプレートに彩りを添えてくれます。さっと塩ゆでするだけで、素材の甘みを楽しめます。 - にんじんのグラッセ
バターと砂糖で甘く煮たにんじんは、お子様にも大人気。オレンジ色が加わることで、食卓が一気に華やかになります。 - ほうれん草のバターソテー
にんにくとバターでさっと炒めたほうれん草は、香りが良く、ステーキとの相性も抜群です。
これらの野菜を組み合わせることで、見た目も栄養もぐっと良くなりますよ。
一緒に食べたいスープとサラダ
献立にスープやサラダを加えると、食事全体の満足度がアップします。
- おすすめのスープ
コーンポタージュやかぼちゃのポタージュなど、野菜の甘みが楽しめるクリーミーなスープは、濃厚なステーキの味とよく合います。また、トマトの酸味が爽やかなミネストローネも、口の中をさっぱりさせてくれるのでおすすめです。 - おすすめのサラダ
シンプルなグリーンサラダに、さっぱりとしたフレンチドレッシングをかけたものが良いでしょう。また、タコやエビ、オリーブなどを使ったマリネをサイドメニューとして加えると、食感のアクセントになり、食事の途中の口直しにもなります。
ソールズベリー・ステーキに関するQ&A
最後に、ソールズベリー・ステーキについてよくある質問にお答えします。作り置きや、食のスタイルに合わせたアレンジのヒントなど、知っておくと便利な情報です。
冷凍保存はできる?
はい、調理済みのソールズベリー・ステーキは冷凍保存が可能です。
たくさん作ってストックしておけば、忙しい日の夕食に大活躍しますよ。保存のコツは、調理後のステーキの粗熱をしっかりと取ること。熱いまま冷凍すると、霜がついて品質が落ちる原因になります。
粗熱が取れたら、1つずつラップでぴったりと包み、冷凍用の保存袋に入れて空気を抜いてから冷凍庫へ。ソースも一緒に小分けにして冷凍しておくと、温めるだけで本格的な一品が完成するので便利です。
食べるときは、冷蔵庫で時間をかけてゆっくり解凍するのがおすすめです。肉汁(ドリップ)の流出を最小限に抑えられ、美味しさを損なわずに温め直すことができます。時間がない場合は、密封袋に入れたまま流水に当てて解凍する方法もあります。
ヴィーガン・ベジタリアン向けの代替レシピは?
はい、お肉の代わりに大豆ミートなどを使えば、ヴィーガンやベジタリアンの方でも楽しめます。
牛ひき肉の代わりに、水で戻した大豆ミート(ソイミート)や、市販のベジパティを使ってみましょう。大豆ミートだけだと少し淡白に感じることがあるので、刻んだくるみやマッシュルームを加えたり、隠し味に味噌を少し入れたりすると、コクと食感がプラスされて満足感がアップします。
ソースももちろん植物性の材料で。きのこや玉ねぎをじっくり炒めて旨味を引き出し、豆乳やココナッツミルクでクリームソースにしたり、トマトソースで煮込んだりすることで、お肉に負けない美味しい一皿が作れますよ。
まとめ
今回は、アメリカの家庭料理「ソールズベリー・ステーキ」について、ハンバーグとの違いから基本のレシピ、献立のアイデアまで詳しくご紹介しました。
- ソールズベリー・ステーキは、つなぎを使ったアメリカの家庭料理
- 名前の由来は、食事療法を提唱したソールズベリー医師
- ハンバーグとの違いは、米国農務省の基準で「つなぎの有無」が明確に定められていること
- パテを焼いたフライパンでソースを作るのが美味しさの秘訣
- ソースや付け合わせを工夫すれば、楽しみ方が無限に広がる
一見するとハンバーグと同じように見えますが、その背景にはユニークな歴史と明確な定義がありましたね。作り方は意外と簡単なので、ぜひこの記事のレシピを参考にして、ご家庭で本格的なソールズベリー・ステーキ作りに挑戦してみてください。きっと、あなたの家の新しい定番メニューになるはずです!