「ザンギ」って聞いたことありますか?北海道の居酒屋や定食屋さんでよく見かけるメニューですが、「これって唐揚げと何が違うの?」と疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
見た目はそっくりなザンギと唐揚げ。でも実は、その歴史や味付けには、北海道ならではの食文化が隠されているんです。
この記事では、北海道のソウルフード「ザンギ」の正体を徹底解説!
- ザンギの定義や歴史、名前の由来
- 唐揚げとの決定的な違い
- おうちで楽しめる基本のザンギレシピ
- 知って得するザンギの豆知識
など、ザンギに関するあらゆる疑問にお答えします。この記事を読めば、あなたもきっとザンギの魅力にハマってしまうはず。ぜひ最後まで楽しんでいってくださいね!
ザンギとは?北海道のソウルフードを徹底解説

まずは、「ザンギとは一体何なのか?」という基本的なところから見ていきましょう。ザンギは、ただの唐揚げではなく、北海道の歴史と文化が詰まった特別な料理なんですよ。
ザンギの基本的な定義
ザンギとは、ひとことで言うと「北海道で広く親しまれている鶏の唐揚げ」のこと。
一番の特徴は、一般的な唐揚げに比べて味が濃いこと。醤油やニンニク、ショウガなどを効かせたタレに鶏肉をしっかりと漬け込んでから揚げるため、衣だけでなくお肉自体に味がしっかり染み込んでいます。
ご飯のおかずとしてはもちろん、ビールのお供にもぴったりな、パンチの効いた味わいが道民に愛され続けている理由なんですね。
発祥は北海道釧路市
この美味しいザンギが生まれたのは、1960年頃の北海道釧路市だと言われています。
発祥のお店として有力なのが、釧路市にある鶏料理の専門店「鳥松」です。当時、お店では鶏一羽を丸ごと仕入れていたため、様々な部位が残っていたそうです。その残った骨付きの鶏肉をぶつ切りにして、味付けをして揚げたのがザンギの始まりとされています。
今では北海道全域で食べられるソウルフードですが、そのルーツは釧路の小さな一軒のお店から始まったんですね。
「ザンギ」の語源は中国語の「炸鶏(ザーギー)」
「ザンギ」という少し変わった響きの名前、その由来も気になりますよね。
最も有力な説は、中国語で「鶏の唐揚げ」を意味する「炸鶏(ザーギー)」が元になっているというものです。
発祥のお店「鳥松」の初代店主が、「ザーギー」という言葉の間に、幸運の「運」がつくように「ン」を入れて、「ザンギ」と名付けたと言われています。美味しいだけでなく、縁起の良さも込められた素敵な名前ですよね。
ちなみに、他にも「鶏肉を骨ごと切る」という意味の「散切り(ざんぎり)」が訛って「ザンギ」になったという説もあります。どちらの説も、ザンギの歴史を感じさせてくれて興味深いですね。
「ザンギ」と「唐揚げ」の決定的な違いとは?
「結局、ザンギと唐揚げって何が違うの?」という疑問は、多くの人が抱く最大のポイントだと思います。見た目が似ているからこそ、その違いが気になりますよね。ここでは、両者の決定的な違いを3つのポイントに分けて解説します!
違い①:味付けの濃さ(下味の有無)
ザンギと唐揚げの最も大きな違いは、味付けの方法にあります。
ザンギは、醤油、ニンニク、ショウガなどを混ぜ合わせた特製のタレに、揚げる前の鶏肉をしっかりと漬け込むのが基本です。この「漬け込む」工程によって、肉の中まで味が染み渡り、あの濃厚でジューシーな味わいが生まれるのです。
一方、一般的な唐揚げは、下味をつけずに衣にだけ味付けをするものや、比較的あっさりとした下味で済ませるものなど、レシピの幅が非常に広いです。もちろん、唐揚げの中にも濃い味付けのものもありますが、「揚げる前にしっかり漬け込む」という点が、ザンギを特徴づける重要なポイントと言えるでしょう。
違い②:使われる食材の範囲
驚くかもしれませんが、ザンギは鶏肉だけを指す言葉ではないんです。
北海道では、タコやイカ、鮭といった魚介類を揚げた料理も「タコザンギ」「イカザンギ」のように「ザンギ」と呼ぶことがあります。これは、ザンギという調理法(=タレにしっかり漬け込んで揚げる)が、様々な食材に応用されていった結果です。
唐揚げが主に鶏肉を指すのに対し、ザンギはより広い範囲の食材をカバーする言葉として使われているんですね。北海道の豊かな海の幸が、ザンギの文化をさらに発展させたのかもしれません。
地域による呼び方の違い
北海道では鶏の唐揚げを「ザンギ」と呼ぶのが一般的ですが、これは地域による食文化の違いとも言えます。
例えば、九州の大分県中津市は「唐揚げの聖地」として知られており、「中津唐揚げ」というブランドが確立されています。中津唐揚げもニンニク醤油ベースの濃い味付けが特徴で、ザンギと共通する部分もありますが、あくまで「唐揚げ」として全国にその名を轟かせています。
このように、揚げ物料理は全国各地でご当地化しており、それぞれに独自の進化を遂げているのです。
ただし、北海道民の中には「ザンギは唐揚げの方言のようなもの」と認識している人もいるなど、両者の間に厳密で明確な定義があるわけではない、という意見もあります。家庭やお店によってレシピが違うのも、また面白いところですね。
自宅で再現!基本のザンギレシピ
北海道のソウルフード、ザンギの魅力がわかってきたところで、「自分でも作ってみたい!」と思った方も多いのではないでしょうか?実は、ザンギはご家庭でも意外と簡単に作れるんです。ここでは、基本のザンギレシピをご紹介します!
材料(鶏もも肉、漬け込みダレ)
まずは材料を揃えましょう。味の決め手は、なんといっても漬け込みダレです!
【材料(4人分)】
- 鶏もも肉:1枚(約300g)
- 揚げ油:適量
〈漬け込みダレ〉
- 醤油:大さじ2
- 酒:大さじ2
- おろしニンニク:1片分
- おろしショウガ:1片分
- こしょう:少々
〈衣〉
- 小麦粉:適量
- 片栗粉:適量
- ※小麦粉と片栗粉を1:1で混ぜると、カリッとした食感に仕上がります。
作り方の手順(漬け込む→揚げる)
材料が揃ったら、さっそく作っていきましょう。手順はとってもシンプルですよ。
【作り方】
鶏肉の下準備
鶏もも肉の余分な脂肪や筋を取り除き、一口大(少し大きめがおすすめです)にカットします。漬け込む
ボウルやポリ袋に、カットした鶏肉と〈漬け込みダレ〉の材料をすべて入れ、よく揉み込みます。その後、冷蔵庫で最低でも30分ほど寝かせて、味をしっかり染み込ませます。衣をつける
漬け込んだ鶏肉の汁気を軽く切り、小麦粉と片栗粉を混ぜ合わせたものを全体にまんべんなくつけます。揚げる
フライパンや鍋に油を入れ、170℃に熱します。衣をつけた鶏肉を入れ、片面がきつね色になるまで数分揚げます。裏返して、もう片面も同様に揚げ、中までしっかり火が通ったら完成です!
美味しく作るためのコツ
ご家庭でザンギをさらに美味しく作るための、ちょっとしたコツをご紹介します。
最大のコツは「しっかり漬け込むこと」
ザンギの命は、なんといってもその濃い下味です。漬け込み時間は最低30分ですが、できれば1時間以上、時間に余裕があれば半日ほど漬け込むと、味が中までしっかり染み渡り、お店のような本格的な味わいに近づきます。
プロの揚げ方を参考に
専門店では、より美味しく仕上げるために二度揚げをすることがあります。ご家庭で試すなら、こんな方法はいかがでしょうか。
- 中温(160℃)の油で、まずは衣が固まるまで揚げる。
- 一度取り出して、数分間余熱で火を通す。
- 食べる直前に、高温(180℃)の油で短時間さっと揚げて水分を飛ばす。
このひと手間で、外はカリッと、中は驚くほどジューシーなザンギに仕上がりますよ。ぜひ試してみてくださいね。
ザンギに関するQ&A
最後に、ザンギについてもっと深く知りたい方のために、よくある質問や豆知識をQ&A形式でまとめました。これを読めば、あなたも立派なザンギ通になれるかも?
ザンギは骨付きが元祖?
はい、その通りです。元祖のザンギは骨付きが主流でした。
発祥のお店「鳥松」で最初に作られたザンギは、ブロイラー(食肉用の若鶏)を骨ごとぶつ切りにして揚げたものでした。骨の周りのお肉は旨味が強く、しゃぶりついて食べるのが当時のスタイルだったようです。
現在よく見かける骨のないタイプのザンギは、食べやすさから主流になりましたが、当時は区別して「骨なしザンギ」と呼ばれていたそうです。歴史を知ると、また違った味わい方ができそうですね。
「ザンタレ」とは?
「ザンタレ」とは、揚げたザンギに甘酸っぱいタレをかけた、ザンギの派生料理です。
醤油ベースの甘酢っぱいタレが、揚げたてのザンギにジュワっと染み込み、さっぱりとしながらもご飯が進む絶妙な味わいを生み出します。油淋鶏(ユーリンチー)のタレをイメージすると分かりやすいかもしれません。
このザンタレも釧路が発祥とされており、ザンギとはまた違った魅力で多くのファンを持つ人気メニューとなっています。
北海道でおすすめのザンギ店は?
北海道には美味しいザンギのお店がたくさんありますが、ここでは特に有名な2店をご紹介します。
鳥松(とりまつ)
言わずと知れた、ザンギ発祥のお店です。北海道釧路市にあり、創業当時から変わらない骨付きザンギを味わうことができます。ザンギ好きなら一度は訪れたい「聖地」ですね。中国料理 布袋(ほてい)
札幌市にある、ザンギで非常に有名なお店です。ここのザンギは一つ一つがとても大きく、ジューシーで食べ応え抜群。ランチタイムには行列ができるほどの人気店です。
もちろん、この他にも道内には数えきれないほどのザンギの名店があります。北海道を旅行する際は、ぜひお気に入りのザンギを探してみてくださいね。
まとめ
今回は、北海道のソウルフード「ザンギ」について、唐揚げとの違いから歴史、レシピまで詳しくご紹介しました。
最後に、この記事のポイントを振り返ってみましょう。
- ザンギは、北海道発祥の味が濃い鶏の唐揚げ。
- 語源は中国語の「炸鶏(ザーギー)」が有力。
- 唐揚げとの最大の違いは、タレにしっかり漬け込むこと。
- 鶏肉だけでなく、タコなどの魚介類もザンギと呼ばれることがある。
- おうちでも「漬け込み」をしっかりすれば本格的な味を再現できる。
ザンギは、単なる唐揚げではなく、北海道の食文化と歴史が詰まった、道民にとって特別な料理です。この記事をきっかけに、ザンギに興味を持っていただけたら嬉しいです。
ぜひ、ご家庭でレシピに挑戦してみたり、北海道を訪れた際には本場の味を堪能してみてくださいね!